<車の故障・修理>実例集

<故障・修理実例>・・エンジン【不調】 c2003

2006年10月08日(日)キャリートラック

デフレッション バルブ

*故障名
 アイドリング回転が高い(戻らない)

*入庫時状況(赤がポイント)
 エンジン暖機後もエンジン回転が戻らなく 回転数が高いので一度見て欲しいとの 依頼であった。

*修理詳細
 確かに回転計をつなぐまでもなくアイドリング時のエンジン回転数が高いことが 確認できた。(約1,200RPMぐらい?) エンジン水温メーターをみると完全暖機状態で あった。そこでキャブレターに入っているエアホースを外して チョークバルブが開いて いるか、どうかを見てみた。全開状態でOKであった。次に荷台のカバーを外して キャブレターの動きとバキュームホースに破れがないかを見てみた。バキュームホースに 破れはなく問題は無かった。後はキャブレターだが リンク関係が複雑なのですぐに 目視で異常を判別することが難しく 系統別にひとつひとつ作動を確認する作業が必要と なった。点検の結果 あるバキュームダイヤフラムバルブが作動しっ放しになっている ことがわかった。アクセル(スロットルバルブ)が少し開いた状態になっていたのである。 実はさらに調べてわかったことだが このダイヤフラムバルブは”作動しっ放し”では なく”作動していない”だったのである。普通の設計ではバキュームを利用して回転数を 上げることが多いのだが 今回のバルブは”作動状態”で回転数を下げる役目をしていた ので勘違いをしたのである。このバルブの名称は「チャンバーセット、SEC ダイヤフラム」または「デフレッション バルブ」と言い エンジン始動後ダイヤフラム にバキュームが働き リンクを介してスロットルを規定の回転数になるように設定して ある。このバルブの目的は(ダイヤフラムを使用しているので バキュームがかかって リンクを動かすまで少し時間がかかることを利用して) 走行時アクセルを急に戻しても スロットルバルブが一緒に急に戻らないようにして(タイムラグ)エンストを防いでいる、 とのディーラーさんの説明であったが 多分「モード走行時のHC低減対策」も含んで いるものと思われる。バルブはキャブレターの一部分で構成されており 取替は簡単に できる。(バルブ;写真参照)

*修理項目
 ディフレッションバルブ取替。

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