<車の故障・修理>実例集

<故障・修理実例>・・もれ【エンジン】 b1003

2006年06月19日(日) トゥデイ

特殊工具

*故障名
 エンジンオイルもれ

*入庫時状況(赤がポイント)
  車検で入庫した車だがエンジン前の方からオイル洩れがあり、エンジン前部を 分解する必要が生じた。このトゥデイのエンジン”E07A”タイプはエンジン前部と ボディーの隙間が非常に少ないため(10cm以下)いつも悩む作業だが 今回も ベルト、プーリー等を外してクランクプーリーの取り付けボルトの取り外しにかかった ところ案の定、硬くて弛まなく困ってしまった。

*修理詳細
 他のエンジンもそうだが”タイミングベルト交換””フロントクランクシール交換” など エンジン前部の作業をするとき、いかに早く”クランクプーリーのボルト”を 弛めるかがその作業の時間を決める大きな要素になってくる。 このトゥデイの エンジンはプーリー取り付けボルトのネジ方向が左(時計の反対方向)になっている という特殊性があるため 他エンジンで行っている”ボルトを工具で固定しておいて セルモーターを廻してボルトを弛める”方法がとれない。色々試してみたのだが結局は プーリーをいかに動かないようにしてボルトに効率良く弛める力を与えるかにつきる ことに考えがいたった。しかし前にも記したように作業のできるスペースが非常に狭い ためなかなかうまくいかなかった。そこでホンダのディーラーさんに特殊工具がない ものか、また親しい同業の方に良い方法がないものか、聞いてみたが思うような返事は いただけなかった。プーリーを固定する方法としてオートマミッションにタイミング マークを見るのぞき窓があるので その部分にマイナスドライバーを差し込んでリング ギヤを動かないようにしてプーリーを固定することも考えたが 万が一マイナスドライバー の先端が折れてミッション内に入ったら もっとやっかいなことになるのでこの方法は 試すことなく断念をした。時間ばかりがどんどん経っていくので 悶々としていたとき 他の者から「こんな工具を作ったらどうかな」っという提案があった。構造はいたって シンプルでクランクプーリーにある他プーリー取り付けボルト穴を利用(6_×4個) して工具を取り付け、固定するとともに真ん中部分はくり抜いてクランク用の ボルトにボックスレンチやメガネレンチをかけることができる構造とした。(写真参照) さっそく鉄板で製作を行い弛め作業を行ったところ大成功であった。 まさしく「コロンブスの卵」的発想である。一時はエンジンを 降ろすか または降ろさないまでもボルトが横から見えるまで エンジンを下げなければ いけないのを覚悟していたのだが とにかくそのような手間のかかる作業を行わないで 済ますことができた。尚 工具の製作は30分ほどでー、鉄板の厚みは3.6_で十分で ある。

*修理項目
 フロントクランクシャフトオイル及びカムシール取替

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